バスケットボールのスコア、得点のスコアリングだけでなく、アシスト、リバウンド、スチール、ファウル、フリースロー、ターンオーバー等のプレーを入力し、STATS / スタッツ(統計データ)として記録するためのサイトです。

宮地陽子のスタッツ四方山話・第6回 エフェクティブ・フィールドゴール成功率(eFG%)

 アメリカを拠点に、バスケットボールライターとして活躍中の宮地陽子さんのコラムをお届けします。

第6回目は エフェクティブ・フィールドゴール成功率(eFG%) です。

宮地陽子さんの略歴、スタッツの解説を巻末に掲載しています。こちらもご覧下さい。


エフェクティブ・フィールドゴール成功率(eFG%)

  前回のコラムで、スタッツ分析が進んだ結果、3ポイント・シュート(3P)が効率の高いシュートとして認められるようになり、3Pが増えてきたという話を書いた。そうなると、シュート成功率を比べるときに、3Pの効率を加味して比べられないだろうか──ということで生まれてきたのが、エフェクティブ・フィールドゴール成功率(eFG%)というスタッツだ。エフェクティブ(effective)は「実際の」という意味。このスタッツを出すための計算は特に難しいことはなく、フィールドゴールを打った数(FGA)、決めた数(FGM)と、そのうち3Pを決めた数(3PM)さえ記載されたボックススコアがあれば、NBAに限らず、国際大会でも、大学でも高校でも、割り出すことができる。

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Photo/Shutterstock.com

 計算式はこうだ。

  eFG%=(FGM+0.5*3PM)/FGA*100

 一見、難しそうに見えるかもしれないけれど単純な計算式だ。1回の成功で3Pが2Pの1.5倍の得点をあげられるため、その分を加えてからFGAで割り、%にするために最後に100をかけて算出する。

 NBAでは、ボックススコアに2Pと3Pを加えたFGと、その中から3Pだけ抜きだした3PFGのスタッツが掲載されているために後から3P分を加える計算になっているが、最初から2Pと3Pが分かれているボックススコアから計算するのなら、以下の計算式でも、当然ながら同じ結果になる。

  eFG%=(2PM+1.5*3PM)/FGA*100

※FGM=フィールドゴール成功数(2P+3P)

FGA=フィールドゴール試投数(2P+3P)

3PM=3Pフィールドゴール成功数

2PM=2Pフィールドゴール成功数

 わかりやすい例として、架空のA選手とB選手のスタッツで比較してみよう。A選手もB選手も、それぞれ10本のシュートを打って5本を決めた。ただし、A選手は3Pを1本も決めなかったのに対して、B選手は2本決めている。それぞれのFG%とeFG%は次のようになる。

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 FGを打った数も決めた数も、FG成功率も同じだが、eFG成功率で比べると、3Pを決めているB選手の数字が高くなるというわけだ。

 もちろん、選手個々だけでなく、チームとしてのeFG%も同じ計算で出すことができる。そうやって比較することで、自チームと他のチームのオフェンスを比較がしやすくなる。

 たとえば、昨シーズン(2015-16シーズン)と今シーズン(2016-17シーズン)序盤(※12/23時点)のウォリアーズのeFG%を、ファイナルで対戦したキャブズ、そしてeFG%でどちらのシーズンもウォリアーズに次いで2位のスパーズと比較してみよう。ウォリアーズとキャブズは、昨季のNBAファイナル7試合におけるeFG%も合わせ表記してみた。

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 NBA史上最多となる82試合合計1077本(1試合平均13.1本)という歴史的な数の3Pを決めた昨季のウォリアーズは、レギュラーシーズン中にはリーグ全体2位のスパーズにも、3位のキャブズにも、4%近くの差をつけてダントツで首位だった。NBAファイナルの7試合でも、キャブズを上回ったことは変わりなかったが、キャブズのディフェンス、ステフィン・カリーの故障などいくつかの要因から数字を大きく落とし、キャブズとの差は0.8%と縮まっている。結果は、ご存知のように、7戦までもつれる大接戦の末、キャブズが4勝3敗で勝利して優勝を果たしている。

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 そして今シーズン、ケビン・デュラントを加えたウォリアーズは、ここまで昨シーズンとまったく同じeFG%をあげている。リーグ首位であるのも昨季と同じだが、一方で、2位のスパーズ、3位のキャブズ共に、昨季よりeFG%の数字を上げており、ウォリアーズとの差を縮めている。試合を決めるのはシュートだけではなく、シーズンはまだ折り返し点にもきていないから、この数字だけですべてが測れるわけではないが、それでもひとつの指針として、ウォリアーズは相変わらず強いけれど、キャブズやスパーズなど、追いかけるチームも力をつけてきていると言えるのではないだろうか。

第7回目は、1月下旬を予定しています。お楽しみに。

 


宮地陽子さん略歴 バスケットボールライター。ロサンゼルス近郊在住。NBAやアメリカで活動する日本人選手、FIBAワールドカップなどの国際大会を取材し、Sports Graphic Numberなどの雑誌や、NBA Japan, Web Sportivaなどのウェブサイトを中心に執筆活動中。

著書に『The Man ~ マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)がある。

*スタッツ/STATS:通常の得点、ファウルはもちろん、スコアシートからは拾えない、リバウンド、アシスト、ターンオーバー、スティール、ブロックショットなどの記録のこと。 英語のStatistics・統計学の略語STATSに由来。

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